水中ワイヤレス電力情報伝送グループ

橋梁やダムの劣化診断から,養殖業の環境モニタリングや海洋資源探索といった淡水・海水中での作業において活躍が期待されている水中ドローンは,作業効率向上の観点から水中での充電とデータ送受が求められています.これを実現するため,水中にステーションを設置し,そこに着底すれば充電とデータ送受が行われるシステムが研究されています.

そこで,私たちはシンプルかつ軽量化を実現できる水中でのワイヤレス電力・情報伝送システムの開発を目指し,平板電極4枚で構成できる結合器(送受電器)を提案しています.提案方式は,淡水中では電気力線がキャリアとなり,つまり,電界によって電力送電や情報の送受を行うことができます.海水中ではイオンがキャリアとなり,変位電流によって電力送電や情報の送受を行うことができます.

この技術が実用化できれば,ドローンを水中に常駐させることができます.充電する電力は洋上発電(風力,潮力,太陽光など)で賄い,ステーションへ有線供給し,ドローンから取り出した情報はステーションから海上に浮かべたアンテナ付きのブイへ有線で送れば,陸上と通信することができ,現地へ行かなくとも作業を行うことができるようになります.

これまでに淡水・海水ともRF-RF送電効率90%以上を達成しています.現在,システム全体での効率改善や大電力高周波電源回路などを研究しています.


主な成果

プレスリリース