ネットワークグループ

ネットワークグループとは

ネットワークグループでは,従来よりも高速な通信を実現するべく 全二重通信を用いたマルチホップネットワークのメディアアクセス制御に関する研究を行っています.
また,複数台のロボットの協調動作による建設作業の自動化を目指す研究を豊橋市内の企業と共同で行っています.

単語帳
無線センサネットワークアドホックネットワークルーチングメディアアクセス制御マルチホップ通信指向性通信

無線センサネットワーク

無線センサネットワークはセンサノード(端末)を用いてシンク(基地局)に送信することで,環境の情報を収集できるネットワークです.これは農業では環境モニタリング, 工業では工場モニタリングなど様々な分野で使用されています.

アドホックネットワーク

アドホックネットワークとは,スマートフォンなどの端末が基地局を使用せずに互いに通信することが可能なネットワークです.
例えば,災害などによって基地局が使用できなくなった場合に重要な技術として注目されています.

ルーチング

ネットワークにおいて,送信端末と受信端末間で直接データを通信する場合より,2つの端末間にある他の端末を中継してデータを送ることで効率よく通信を行うことができる場合があります.
ルーチングとは,受信端末までのデータを中継する最適な経路を決定するための技術です.

メディアアクセス制御

ネットワークにおいて,1つの端末に対して複数の端末が同時に通信を行おうとした場合,信号が衝突して正常に受信できない場合があります.例えば,1人に対して複数の人が同時に話しかける場合,聞く人は声を聞きわけることが難しいことに似ています.
メディアアクセス制御とは,受信端末が正常に受信できるよう,各送信端末からの通信を制御して,衝突に対処するための技術です.

マルチホップ通信

バケツリレーのように,他の通信端末を経由して情報を伝える技術

指向性通信

指向性のあるアンテナを通信に用いること.
指向性アンテナにより,特定方向にのみ電波を放射することで空間利用効率を改善できる.

全二重通信を用いたマルチホップネットワーク

  • 全二重通信

  • 全二重通信は,同一周波数,同一時間で無線端末が送受信可能となる技術です. 理論的には,従来の半二重通信に比べスループットが2倍になります. しかし,全二重通信では,ネットワーク中で通信可能な無線端末の組み合わせが増えるため, 送信端末を決定する制御(メディアアクセス制御)は,半二重通信に比べ複雑になります. ネットワークグループでは,メディアアクセス制御を最適化することで効率的な全二重通信を可能にする研究を行っています.

  • 指向性全二重マルチホップ通信

  • 特定の方向へ集中して電波を放射することができる指向性アンテナを無線通信に用いることで, 不要な電波の放射を抑制することができます. ネットワークグループでは,指向性アンテナを用いて全二重通信をする指向性全二重通信の研究を行っています. 指向性全二重通信を活用することで,様々な環境,ネットワークトポロジーにおいても高いスループットを実現できると考えられます. 私達はこれまでに,二つの送受信機にそれぞれ固定指向性アンテナを取り付けた新たなハードウェア構成を提案し, 端末が直線状に配置された環境においてスループットを向上させることが可能であることを明らかにしました.

    指向性全二重マルチホップ通信

建設作業の自動化

建築現場では労働人口減少への対応や生産性の向上が求められています. 特に作業員への負担が大きい作業である,鉄筋の配置(配筋)作業の省力化・効率化が課題となっています. この作業は建築物の図面に記された位置に鉄筋を配置する作業です. 共同研究では複数ロボットの協調動作による配筋作業の自動化を目指しています. 複数のロボットが形成するネットワークにおける通信制御方式についての研究や配置位置を指定するための手法の検討を行っています.