7. 電化道路電気自動車 (EVER)                     EVERホームはこちら


1 電気自動車

電気自動車はガソリン車に比べてエネルギ効率が圧倒的に高いので、エコロジで
クリーンな自動車社会に向けてその普及が望まれています。
現在の電気自動車の普及を妨げている大きな要因は、よく知られているように
    1)航続距離が短い  2)充電時間が長い  3)車両価格が高い
の3点です。航続距離を伸ばすには大容量のバッテリを搭載する必要があり
そうなると、充電時間が長くなります。しかも、車両が重くなるのでエネルギ効率が


低下します。重い車重を駆動するためには大容量バッテリが必要という悪循環です。
現在、電気自動車の価格が300万円以上するのは大容量バッテリが高価だから
です。この悪循環から抜け出し、電気自動車が移動手段の主流となる省エネで
クリーンな社会を構築するにはブレークスルーとなるなんらかの技術革新が不可欠
です。

2 電化道路

電気自動車問題解決の突破口として、豊橋技術科学大学では「電化道路電気
自動車(EVER)」の可能性研究を進めてきました。EVERとは大容量バッテリを車載
せず、道路インフラからエネルギを集電して路面電車のように走行する理想の
電気自動車です。つまり「停車中充電」から「走行中給電」へのパラダイム転換
です。道路インフラの工事が必要ですが、全国津々浦々まで全ての道路を電化する
という意味ではありません。少なくとも高速道路と主要幹線道路だけでも電化工事を


施しておけば、たとえば自宅から幹線道路入り口までは小さなバッテリで走行し、
幹線道路では路面からのエネルギで走行する。幹線道路からおりる頃には小さな
バッテリも満充電されていて、目的地まではそのバッテリで走行する。
電気自動車は一般家庭で購入できる価格となり、しかも途中で充電することなく
長距離に到達できる移動手段となります。

3 ワイヤレス走行中給電

走行中給電とは走行中の電気自動車へ道路からエネルギをたゆまなく連続的に
届ける技術です。研究室ではクルマのタイヤが常に路面に接地していることに
着目しました。現在自動車に通常使われているタイヤはほぼすべてトレッド
表面近くにスチールベルトが埋め込まれています。このスチールベルトが導体
であることを利用し、これにパンタグラフの働きをさせるという革新的な
ワイヤレス給電方式「V-WPT: Via-Wheel Power Transfer」です。インフラ側
には、架線のかわりとなる電極を路面下に敷設します。電極は導体平板あるいは
細い導線を網目状に編み込んだようなシートでもよいので道路敷設や補修時の
メンテナンスが容易であることが期待できます。タイヤは常に路面に接地して
いるとはいうものの、トレッド表面はゴム製なので通常の50/60Hzの電流は

まったく流れません。そこで、電流を数MHz以上の高周波エネルギに変換して
タイヤに供給するというしくみを考えました。高周波エネルギは電気的導電性が
ない材質にも流れるという性質があります。これは「変位電流」と呼ばれて
います。実用的な電力伝送効率が得られるのか?それを試す実験系を組み立て
ました。タイヤ素材に特別な工夫はなく、市販されている乗用車用ラジアル
タイヤをそのまま用いています。エネルギが伝わったことを示すために左右
車軸の間に60Wの白熱電球を接続しました。高周波電源からのエネルギが
タイヤを介してホイールに伝送され、白熱電球が明るく輝きました。高周波
伝送効率80%を達成。電気自動車への新しい道を切り開く画期的第1歩です。