ワイヤレス通信グループ

高速・大容量化が進むワイヤレス通信では,Massive-MIMOやIn-Band Full-Duplex,OAMなど様々な手法が提案されています.これらの技術を実現するためのキー(鍵)となるRF回路の開発を目指しています.ターゲットはポータブル機器からスモールセル/フェムトセル用基地局まで幅広く,アプリケーションに応じた付加価値,対電力性,高チューナビリティ化について研究しています.

特に、私たちはこれまで研究開発してきた高周波回路技術を用いて狭ピッチで配置されたアンテナ間の高アイソレーションを実現する減結合回路の設計理論構築を進めています.空間的に自由にアンテナを配置できる場合は3次元配置を工夫することで高アイソレーションを実現できます.

しかしながら,平面上にアンテナを配置させる場合,アンテナ間隔を広げるしか方法が無く,基板サイズが大きくなっていきます.これに対し,私たちが提案する減結合回路はアンテナ間に回路を実装するだけで高アイソレーションを実現することが可能です.

提案方式は1つの回路モジュールとして提供することも可能です.これまでにチップ部品を用いて,提案方式で狭ピッチに配置したアンテナ間のアイソレーションを-30dB以上,130MHz以上の帯域幅で確保することに成功しています.現在、減衰量の更なる改善や広帯域化,様々なアンテナへの適用設計などを研究しています.


主な成果